本日の整備車両は走行不能によりレッカー入庫頂いたハイゼットカーゴです。
水温、バッテリー警告灯が点灯しているにもかかわらず走行してしまったとのことです。
早速点検していきます。
電圧を測定するとクランキングに十分な電圧がありませんでした。
エンジン回りをチェックするとW/P(ウオーターポンプ)ベルトが切れていました。
W/Pベルトはウオーターポンプ、オルタネーター(発電機)を駆動しているベルトなので
ベルトが切れていると発電されなくバッテリー上がりを起こしてしまいます。
またW/Pも駆動されず冷却水が循環されなくなり、オーバーヒートを起こします。
今回はW/Pポンプがロックしたことによりベルトが切れて、オーバーヒート
バッテリー上がりしていました。
オーバーヒートでの二次故障では水温上昇で冷却通路の圧力があがり
ラジエーターがパンクして冷却水が漏れだしていました。
こちらの車両の走行距離は18万5千キロ走行していて偶発故障が起こしやすいです。
しっかりと点検修理をしていきます。
まずラジエーターを交換していきます。
フロント周りをばらしての整備です。
ラジエーターそっくり交換します。
また平成26年式のS321Vのラジエーターファンモーターは故障しやすく
走行距離を考えると交換が望ましく同時交換します。
ラジエーターを取り外す際、エアコンのコンデンサーも外しますのでエアコンガスも入れ替えます。
ラジエーターを外すのに色々外さないといけません。
ラジエーターがパンクして冷却水が漏れています。
次にウォーターポンプ、同時交換部品のサーモスタットを交換します。
エンジン回りを責めていきます。
ウォーターポンプを外すとベアリングが固着していました。
これではポンプが回転しなくベルトが切れてしまいますね。
赤い水がウォーターポンプハウジング、手前がオルタネーター
ウォーターポンプとサーモスタット
ハウジングを清掃後状態を確認。
逆の手順でポンプを取り付けました。
冷却水のエア抜き作業を行い、冷間時水を補充して試運転。
冷却水が減っていないことを確認して作業完了です。
警告灯点灯後も走行すると被害が拡大してしまいます。
配達の関係上すぐに停車するのは難しい判断ですが被害拡大防止のため、すぐにリペアまでご相談ください。
黒ナンバー台車のご相談も承っております。
今回の整備費用は
ウォーターポンプ
補器ベルト3本
冷却水
ラジエーター
ラジエーターキャップ
ラジエーターファンモーター
エアコンガス
エアコンガス添加剤
交換して約15万円でした。
同時交換をすると工賃を抑えられますのでお客様とご説明して交換部品追加を提案しました。
整備のご相談、ぜひリペアまでお願いいたします。